POSレジのデータとGA4をどう紐付ける? 店舗とWebの「会員ID統合」アーキテクチャ論 -店舗で買ったのに、Webで広告が出る「ストーカー現象」を防ぐ。BigQueryを中心としたO2Oデータ統合の設計図

AI参謀 GA

「昨日、店舗でスニーカーを買ったのに、Webを見ると同じスニーカーの広告が追いかけてくる」
という現象はみんな感じたことないだろうか?

これは、企業側が「店舗のあなた(POSデータ)」と「Webのあなた(GA4データ)」を、全くの別人と認識しているために起こる悲劇です。

これを八百屋で例えるなら、
毎日大根を買ってくれる常連さんに向かって、顔を見るたびに「はじめまして!大根いかがですか?」とチラシを配り続けているようなものです。 これでは、売上が上がるどころか、お客様は不信感を抱いて去ってしまいます。

真のOMO(Online Merges with Offline)とは、アプリを作ることではありません。
「店舗でもWebでも、その人を『◯◯さん』と正しく認識すること」です。

本記事では、POSレジ(リアル)とGA4(Web)のデータを統合し、顧客に「私のことを分かってくれている」と感じさせるための、具体的なシステムアーキテクチャを解説します。


目次

第1章:なぜ、データは「分断」されるのか?

そもそも、なぜPOSとGA4は繋がらないのでしょうか。 それは、**「主キー(誰を指すか)」**が違うからです。

  • GA4 (Web):Client ID (Cookie) で識別する。
    • → 「ブラウザを使っている匿名の人」
  • POS (Real):Member ID (会員証) または Receipt ID で識別する。
    • → 「レジで決済した特定の人」

この2つは、そのままでは永遠に交わらない平行線です。 Cookieは現実世界には存在せず、レシートはWeb上には存在しないからです。

これを解決する唯一の方法は、「共通するキー(User ID)」を持たせることです。


第2章:統合のカギは「ログイン」と「バーコード」

アーキテクチャの基本戦略は、「Webとリアルの両方で、共通の会員IDを提示してもらう」ことです。

Step 1: Web側(GA4)の設定

Webサイトに「会員ログイン機能」を設けます。 ユーザーがログインした瞬間、GA4の User-ID 機能を使って、その会員IDを送信します。

例えば、JavaScript

// GA4に会員IDを送信するイメージ
gtag('config', 'G-XXXXXXXX', {
  'user_id': 'MEMBER_12345' // ここで紐付ける
});

これで、Web上の「匿名のブラウザ」が、「MEMBER_12345」という個人に昇格します。

Step 2: 店舗側(POS)の設定

レジでの会計時、スマホアプリやLINE会員証のバーコードをスキャンします。 これにより、POSデータ(レシート)に member_id: MEMBER_12345 が刻まれます。

Step 3: BigQueryでの「結合(JOIN)」

ここで前回の記事(BigQuery活用)が生きてきます。 GA4のデータと、POSのCSVデータをBigQueryという「同じ箱」に入れます。

あとはSQLで JOIN するだけです。

例えば、SQL

SELECT
  t1.web_behavior, -- Webで何を見たか
  t2.store_purchase -- 店舗で何を買ったか
FROM
  `ga4_data` AS t1
JOIN
  `pos_data` AS t2
ON
  t1.user_id = t2.member_id -- ここでWebとリアルが繋がる!

この瞬間、分断されていたデータが一つになり、「顧客の完全なジャーニー」が見えるようになります


第3章:統合すると、何ができるのか?(Use Cases)

データを繋ぐことは、ゴールではありません。スタートです。 この統合基盤があれば、以下のような「おもてなし」が可能になります。

1. 広告費の削減(除外ターゲティング)

冒頭の「ストーカー広告」を止められます。 「店舗で買った人」のリストをGoogle広告に連携し、その商品の広告配信を除外します。 浮いた予算で、その人が次に欲しがる「靴下」や「メンテナンス用品」の広告を出せます。

2. 「そろそろ無くなりませんか?」提案(LTV向上)

化粧品やサプリメント、あるいは「お米」のような消費財で強力です。
店舗での購入日から消費ペースを予測し、無くなる直前にLINEやメールで「Webで注文しませんか?」と通知します。 わざわざ店に行かなくても買える利便性は、強力なリピート動機になります

3. Googleマップ連携ツール NOREN(CxxxPJツール)との連携(来店検知)

「ルート検索」をした人が、その後実際に「店舗でPOSを通したか」を計測できれば、「Googleマップの集客効果」を正確に算出できます。
「マップを見て来た人には、次回来店クーポンをWebで出す」といった高度な戦術も可能です。


第4章:システム構成の全体像

最後に、Cxxxが推奨する「中小企業向けO2Oアーキテクチャ」の全体像を図解します。

  1. 入力:
    • Web: GA4 → BigQuery
    • 店舗: POS(スマレジ等) → API/CSV → BigQuery
    • マップ: Digital Noren → API → BigQuery
  2. 統合:
    • BigQuery 上で User ID をキーに全データを結合。
  3. 活用:
    • SENDO: Webのトップ画像を「店舗でよく買うジャンル」に変える。
    • MAツール: LINE/メール配信。

高価な「CDP(カスタマーデータプラットフォーム)」ツールを導入する必要はありません。
BigQueryを中心に据えれば、必要な機能だけをレゴブロックのように組み合わせることで、低コストで最強の基盤が作れます。


まとめ:データ統合とは、究極の「接客」である

「データを取る」というと、監視されているようで嫌がるお客様もいます。 しかし、八百屋の店主が「◯◯さん、今日はいいカブが入ったよ(好物を知っている)」と声をかけるのを嫌がる人はいません。

違いは、「そのデータを使って、相手を喜ばせているか」です。

店舗とWebのデータを繋ぐ目的は、管理するためではありません。
Webでも店舗でも、「いつもの◯◯さん」として温かく迎え入れ、気の利いたシームレスな提案をするためです。

あなたの会社のデータは、まだ「分断」されたままですか? それとも、お客様のために「統合」する準備ができていますか?


👇 【基盤】まずはデータを集めよう :
::info 【戦略】GA4の管理画面を見るのはやめなさい

POSデータと結合するためには、Web側のデータをBigQueryに「生」で溜めておく必要があります。 すべての土台となるデータ基盤の作り方。

👉 記事を読む:GA4の管理画面を見るのは、もうやめなさい

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👇 【店舗】入り口のデータを整える
:::info 【集客】Googleマップを「デジタル暖簾」にする

店舗側のデータ(在庫や混雑状況)をデジタル化しなければ、Webとの連携は始まりません。 Google Business Profile APIを活用した、店舗DXの第一歩。

👉 サービス詳細を見る:Digital Noren(デジタル暖簾) CommingSoon

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記事を書いた人

AI参謀GAくん | じーえーくん
tech leadかねやん | 金岡潤
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「システムも野菜も、鮮度が命。」
元メガ企業のSEとして、大規模サービスのバックエンド開発・アーキテクチャ設計に従事。その後、福岡に移住し起業。「八百屋」を地域No1にするという異色の経歴を持つ。 現在はBig Tech企業のモダンな開発手法(ベクトル検索、GraphRAG、エージェント技術など)を、地方企業や中小ビジネスの現場に落とし込むDX支援を行っている。 技術の複雑さを感じさせない設計、ビジネスの成果(CX)に直結させる「翻訳者」としてテックリードを担っている。

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